不安神経症を経験した有名人は?症状や原因、治療法について解説!

不安や恐怖を慢性的に感じる不安神経症は、多くの有名人が経験しています。
不安神経症の症状や原因、治療法について解説します。

不安神経症は有名人に多い?


実は不安神経症は、多くの有名人も経験しています。

有名人の場合、ハードなスケジュールによるストレスや、不規則な生活リズムなどが原因で発症しやすいと考えられます。

歌手やアイドル、お笑い芸人など多くの方が過去に不安神経症になっていたことを告白したり、不安神経症を理由に活動を休止するということがあります。

一般の方であっても、強くショックを受ける出来事があったり環境の変化にストレスを感じたりと、さまざまな原因から不安神経症になる可能性があります。

また、男性よりも女性の方が不安神経症になりやすいといわれています。

有名人にも多い不安神経症とは?

不安神経症は、生活の中で誰もが感じる不安や恐怖を慢性的に感じてしまう症状です。
不安神経症の症状や原因について解説します。

不安神経症の症状

不安神経症とは、明確な理由がないにも関わらず、日常生活に支障をきたすほどの不安や恐怖を感じる神経症です。

不安神経症は、下記のような症状に分類されます。

限局性恐怖症

限局性恐怖症では、特定の対象や状況に限り、強い恐怖や不安を感じます。

症状は半年以上も続き、恐怖や不安の対象となるものを避けようとし、日常生活が送りにくくなっていきます。

特に小児、若い世代、女性に多い症状であるといわれています。

限局性恐怖症では、以下のような症状が訴えられます。

・高所恐怖症
・閉所恐怖症
・先端恐怖症
・犬や猫、蜘蛛や蛇などの動物恐怖症

地震や雷、洪水などの天災や、血液、怪我、注射、冷房、暗い場所など、恐怖の対象は人により様々です。

それらを想像するだけでも恐ろしくなり、パニックに陥ることもあります。

パニック症

パニック症では、突然動悸や呼吸困難などの発作(パニック発作)が起こり、強い不安や恐怖を感じます。

電車に乗ることや、学校・会社へ行くなどの発作が起きそうな状況を避けるようになり、日常生活が送りにくくなります。

パニック症の方には以下のような症状があり、「またパニック発作が起きるのでは」という予期不安があります。

・心臓がどきどきする
・胸が苦しい
・過呼吸
・発汗
・めまい
・食欲不振
・吐き気
・体の震え
・血の気が引く感じがする
・おかしくなりそうな恐怖に襲われる

広場恐怖症

広場恐怖症では、すぐに脱出することが困難であったり、具合が悪くなっても助けを求めることが難しいような場所や状況に置かれることに強い不安を感じます。

症状が表れる頻度が高い不安症の一つであり、男性より女性に多いとされています。

多くの場合、不安感とともにパニック発作を引き起こし、悪化すると引きこもりにつながることもあります。

広場恐怖症の方が苦痛を感じやすい状況には、以下のような場所が挙げられます。

・電車やバス、飛行機などの公共の乗り物
・急行電車や満員電車
・駅の雑踏
・映画館や劇場
・美容室のような閉鎖された場所
・デパートやスーパーなどの人が多い場所
・橋の上やトンネルの中

全般不安症

全般不安症では、日常生活で普通ならさほど気にならないような些細な事柄が心配になり、常に緊張してリラックスできない状態が続きます。

慢性的・持続的な不安状態であり、たとえば「自分が病気になるのではないか」「子供が事故に遭うのではないか」などという広範囲にわたる不安に悩まされます。

その他にも、持続的な不眠や頭痛、胸部の圧迫感などの症状が訴えられます。

不安神経症の原因

不安神経症の原因は解明されていませんが、ストレスなどが原因であると考えられています。

具体的な原因の有力な説は、下記の3つです。

  • 心理的な要因
  • 社会的な要因
  • 脳の機能障害

脳内では幸せホルモンと呼ばれているセロトニンが分泌されており、ストレスを軽減し、精神を安定させる役割を持っています。

不安神経症を発症するのは、セロトニンの働きが弱まり、不安や恐怖を感じやすくなるためだと考えられています。

また、過去のトラウマやストレスを感じた出来事などを思い出し、不安や恐怖を誘発してしまうというのも有力な説の一つです。

育った環境や家庭によって、同じ状況でもストレスの感じ方が異なるというのも、周りと自分を比べて不安な状態に陥ってしまう原因です。

特に思春期に発症することが多く、甘えだと捉えて神経症を見逃してしまうケースもあります。

不安神経症になりやすい人の特徴

森田療法を生み出した森田正馬は、神経質な性格の人が不安神経症になりやすいと提唱しています。

具体的には、下記のような特徴があります。

  • 内向的で自己内省的
  • 心配性で傷つきやすい
  • 完璧主義・負けず嫌い

強気な面と弱気な面を併せ持つ性格は、小さなことを気にしてしまう弱気な自分を許せずに、葛藤しやすいタイプだと考えられています。

困難に見舞われたときに敏感に反応してしまい、不安や恐怖はあってはならないものと考えたり、完璧な安心を求める性格も、不安神経症になりやすい人の特徴です。

俳優やアイドル、歌手などの有名人が置かれている環境も、不安神経症を発症しやすいものです。

仕事では環境や人間関係が次々と変化し、忙しくて十分な休息が取れない有名人も多いでしょう。

また、有名人は特に完璧主義であったり負けず嫌いという方も多くいます。

そのため、有名人で不安神経症を発症してしまう方が多くいるのかもしれません。

一般人の方でも、長時間労働などで生活リズムが崩れていたり、ストレスを発散できていないと感じている方は注意が必要です。

不安神経症の主な治療法

不安神経症を治すには、どのような治療法があるのでしょうか。

精神療法と薬物療法について解説します。

森田療法などの精神療法


不安神経症の治療には、精神療法が有効であるといわれています。

精神療法には、不安や恐怖の原因に直面させる「暴露療法」や、不安を感じやすい認知の歪みを改善していく「認知療法」などがあります。

また、精神療法の一つである「森田療法」も不安神経症の改善に効果が期待できるといわれています。

症状が重い場合は入院療法、そうでない場合は外来療法で治療をします。

入院療法では、下記4つのステップで社会復帰を目指します。

  1. 心身を休めながら自分のとらわれや不安と向き合う
  2. 一人で簡単な作業
  3. グループでの作業
  4. 社会復帰

一方で、外来療法は日記指導が中心の治療法です。
その日の行動を日記に記載し、不安や感情を自分なりに受け止めていこうとする態度を助長します。

どの精神療法が適切なのかは人により異なるため、医師に相談するようにしましょう。

その他、自助グループとして、森田療法を学びながら、神経症からの克服を支援する「生活の発見会」があります。

薬物療法

不安神経症の原因の一つとして、脳の神経伝達物質であるセロトニンの異常が挙げられます。

セロトニンの働きが弱まると、不安や恐怖を感じやすくなる恐れがあります。

そのため、セロトニンの働きを活発化させることに有効なお薬が用いられるのです。

お薬については必ず医師からの指示を受け、正しく服用しましょう。

森田療法で不安神経症が治ったという方の体験談

日常生活に支障をきたすほどの不安や恐怖を感じる不安神経症は、治せない症状ではありません。

実際に森田療法で不安神経症が治ったという方の体験談をご紹介します。

限局性恐怖症

水恐怖症に悩まされて(K・Iさん/53歳・主婦)

<K・Iさんの症状>
私が強く悩まされたのは水恐怖です。
確認や不潔や縁起恐怖などのうえに強迫行為もあります。

はじまりは、食事をしていてお茶を飲もうとしたとき、なぜか突然の違和感とともに液体そのものに恐怖を感じたのです。
以来、すべての水と液体状のものが怖くなりました。1滴の水にもおびえていました。

 

<生活の発見会の集談会に参加して>
初回の集談会では個人相談を受けました。
担当のかたがとりとめのない話をじっと聞いたあと、私を見て「苦しかったね」といってくれたのです。

 

この時は私のやっかいな話を聞いて、自分のことのように思ってくれる人がいるのだと、驚きとともにうれしい気持ちでした。
重い鎧が一つ取れたように思いました。

 

何よりも集談会に参加することで、自分一人ではなかったと、そう強く感じたものです。

集談会でまだ自分の症状ばかりを訴えていたときに、支部委員さんから「できたことを認めていきましょう」とアドバイスをもらいました。

 

私の場合は、できたことを声に出して言うことにしました。
風呂からあがったとすると、風呂に入っているよりも緊張して汗びっしょりになります。

そこで緊張や汗に注目するよりも「やったあ!ちゃんと風呂にもはいれてる。とらわれながらもやれた。あー、気持ちよかった」と声に出して言うのです。

 

私の森田道は今はじまったばかりです。
今後も、何かとひっかかるでしょう。
けれども、これからも集談会などで学びながら、どうにかやって行けそうです。

引用:生活の発見会 体験記一覧 水恐怖症に悩まされて

限局性恐怖症に悩まされていたというこちらの方は、生活の発見会の集談会に参加したことで、悩んでいるのは自分だけではないと思えたそうです。

はじめは水恐怖症の症状ばかりを訴えていましたが、一つ一つできたことに目を向けて自分を褒めることで、前向きな姿勢に変化しています。

パニック障害

あきらめは、はじまり(T・Kさん・女性)

<T・Kさんの症状>
私は10年前、パニック発作を伴う不安神経症の恐怖症という診断を受け、公共の乗り物や閉ざされた空間での恐怖感を、薬物療法で乗り越えていました。

 

引っ越しを機に再び不安発作が顔を出し、時と場所を選ばずに、居ても立ってもいられない強烈な違和感や逃げ出したい恐怖が迫ってきて、せっぱつまった感覚にたびたび襲われるようになりました。

 

<生活の発見会の集談会に参加して>
夫の車で送迎してもらい、初心者懇談会におそるおそる参加しました。

 

世話人の方々や幹事の方が、代わる代わる声をかけて下さり、話を聞いて下さって、「よく解りますよ。大丈夫、治ります」と笑顔で言ってくれました。
その時手渡された「森田理論学習の要点」の内容と、話された講義に深く納得しました。

 

森田を学び始めて2年。
能力はなく、まだ小学生程度だと自分では思っています。

 

だからこそ、これから学びを深めていくことは、生き甲斐につながります。
価値観の変わりはじめたこれからの人生が楽しみです。

引用:生活の発見会 体験記一覧 あきらめは、はじまり

パニック症を発症し、はじめは薬物療法で症状を和らげていたというこちらの方は、パートーナーの勧めで生活の発見会の集談会に参加したそうです。

集談会では森田療法について学んでからは、価値観の変化を実感し、これからの人生を楽しみだと思えるようになっています。

広場恐怖症

私が体験した「あるがまま」(Oさん・40代・会社員)

<Oさんの症状>
学生時代から人と上手くコミュニケーションがとれないことに悩んできました。
社会に出てから顕著になり、20代後半の時に勤めていた職場で自己否定に拍手がかかり、自分に対して絶望した時に精神がおかしくなりました。

 

最初の症状はパニック障害で、極度の不安や恐怖感、胸を突き破るような激しい動悸が朝方まで続く、呼吸が極端に浅くなるなどでした。

 

職場は休職し、自分の症状を言葉にしたり、他の人の症状の話を聞くのも困難で、電車や狭い空間も耐えがたく、初めて初心者懇談会を訪れたとき、始まってまもなく部屋から飛び出してしまいました。

「良くなるなんてありえない」そんな思いしか持てませんでした。

 

<森田療法を知って>
森田療法やマインドフルネス認知療法に触れ、思いや感情は湧いては消えていく性質のものであること、またそれに対してどう変化していくか観察する視点をもつことを知り、これは大きなヒントになりました。

 

もがいたり押しのけようと抵抗したりするのではなく、体全体で感じていくこと、「コントロールしたいという欲求を放棄する」状態がポイントということにも関心が向きました。

 

恐怖やなんとも嫌な耐えがたい感覚のままいる、それを感じていく。
これを実践するならば、まず嫌な感覚が湧いてきた時身体の力を抜く。

すると恐怖が体の中から一気に湧き上がって、体の全細胞が恐怖・不安に飲み込まれる感覚になります。

 

逃げることも一つの立派な選択だと思いますが、逃げ口がない状況の時、どんな思いでどんな信念でその恐怖と共にいることができるのか、そこにパニック障害や乗物恐怖からの解放の鍵があるのだと思います。

引用:生活の発見会 体験記一覧 私が体験した「あるがまま」

広場恐怖症に悩まされていたこちらの方は、森田療法を知るまでは「良くなるはずがない」と思っていたようです。

森田療法について知ってからは、不安や恐怖を感じたときにそれを排除しようとするのではなく、その感覚のままでいることを意識するようになったといいます。

全般性不安症

「不安神経症・トイレ不安〜とらわれからの回復」(Y・Aさん/50代/会社員)

<Y・Aさんの症状>
私の症状は全般性不安障害・不安神経症で、一番苦しんだのはトイレ不安です。

トイレのない場所や行きにくい環境に置かれると「腹痛が起こるのではないか」と強く不安を感じました。

 

そのことが予期不安につながり「また次も同じことが起こるのではないか」と恐怖にかわっていき、どんどん生活範囲が狭まっていきました。

 

<森田療法を知って>
北西憲二先生の「森田療法のすべてがわかる本」を読み、私は不安神経症でその症状の一つが過敏性腸症候群だったと知りました。

 

生活の発見会員になり、会誌を読み集談会に通い、安心な居場所をみつけ「自己否定感」でいっぱいだった生活が、自然と「自己肯定感」へ流れるようになり、前向きに生活をするようになりました。

 

私が気づかないくらいにゆっくりとよくなっていたのだと思います。

引用:生活の発見会 体験記一覧 不安神経症・トイレ不安〜とらわれからの回復

トイレ不安に最も悩まされたというこちらの方は、森田療法についての本を読んだことで、より症状についての理解が深まったそうです。

その後、生活の発見会の集談会に通い、居場所を見つけたことで前向きに生活できるようになったといいます。

このように、様々な症状の方が森田療法を実践したり、生活の発見会の集談会に参加することで不安神経症を克服しています。

森田療法を知り、実際に学ぼうと行動したことが、以前よりも前向きに生きるきっかけになったと言えるでしょう。

体験記一覧はこちら

不安神経症でお悩みの方は生活の発見会へ!

同じように神経症などに悩んでいる人や、悩みを克服した人と一緒に森田療法を学んだり、つながりを持つことができる自助グループが「生活の発見会」です。

「生活の発見会」について説明します。

生活の発見会とは?

「生活の発見会」とは、森田療法を学びながら、神経症からの克服を支援するメンタルヘルスの自助グループです。

1970年に発足し、1998年には第50回保健文化賞を受賞、2005年には特定非営利活動法人として東京都より認定されています。

神経症に悩める方に森田療法について学ぶ機会と、共感と理解に基づく安心の場を提供し、人間的な成長を目指すというビジョンを掲げています。

森田療法でより良い生活を目指していくという考えに共感する方なら、誰でも参加することができます。

再発の予防、備えとして、薬物療法と並行して新たに森田療法を学ぶことをおすすめします。

生活の発見会の活動

「生活の発見会」では集談会や、月刊誌の発行、基準型学習会などさまざまな活動を行っています。

集談会では、全国約130ヶ所の会場で「交流会&学習会」を毎月開催し、実際に神経症を乗り越えてきた人が中心になって交流を行っています。

月刊誌は、会員や医師が寄稿した記事などを掲載した、会員ならだれでも参加できる双方向の機関誌です。

このように会員同士での相互啓発や学習、実践経験を会員間で共有していくことで、人間的な成長を目指しています。

その他にも、初心者向けの懇談会、大勢が集まる場所は行きづらい方むけの個人相談、医師も交えての心の健康セミナー、オンライン学習会などさまざまな活動を行っています。

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お悩みの方はまずは初心者懇談会や個人相談(有料)へ!

「生活の発見会」は誰でも参加することができます。

心のお悩みを抱えている方は、まずは初心者懇談会や個人相談へのご参加はいかがでしょうか。

初心者懇談会は、会のことを知りたいという方や、入会して間もない方むけに、東京、大阪、福岡、オンラインで実施しています。

また、個人相談は、東京都の本部での面談や、電話での相談も可能です。

気軽に参加できるので、ぜひご検討ください。

初心者懇談会のご案内はこちら

まとめ

不安神経症を経験した有名人や、症状・原因・治療法などについて解説しました。

強い不安や恐怖を感じる不安神経症は、ときに日常生活に影響を及ぼします。

それでも症状と向き合い、活動を続けている有名人の姿は、同じ悩みを抱える方の支えになることでしょう。

また、生活の発見会では参加された方のお話の傾聴に努め、その方と同じような症状の先輩会員や有名人のエピソード(体験談)や克服に向けた姿をお伝えして、次のステップに踏み出していただく参考にしていただければと考えています。

もし、不安神経症に悩んでいるのであれば「生活の発見会」がおすすめです。

生活の発見会HPはこちら

気になる方はぜひ下記フォームからお問い合わせをしてみてください。

生活の発見会お問い合わせフォーム

また、自分が神経症かもしれないと悩んでいる方は、下記のセルフチェックシートで自身の症状をチェックしてみましょう。

セルフチェックシート