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抑うつ神経症とは?治った体験談をご紹介! 症状や原因、治療法についても解説!

抑うつ神経症とは、うつ病より軽度ながら慢性的抑うつ状態が長期に持続するものをさします。
抑うつ神経症は、持続性抑うつ障害、あるいは、気分変調症と呼ばれることがあります。
うつ、抑うつというのは病気ではなく、一時的な気分の落込みをいいます。
抑うつ症状は、心のトラブルの中で最も多いといわれます。
気分が落ち込んだり、憂うつになるなどの症状が続いている状態をうつ状態とか抑うつ状態といいます。
抑うつ状態では、気分が落ち込んでいる、意欲や関心が低下している、疲労感が続く、後ろ向きの考えになっている、などといった、精神的エネルギーが低下した状態になります。
一般的には、うつ病よりは軽い状態を抑うつ状態と呼ぶことが多いといわれます。
抑うつ神経症は、うつ状態は比較的軽いながらも、それが長期間だらだらと続くのが特徴的です。
抑うつ状態が一定期間持続し、日常生活の大きな影響を及ぼすような病的状態になったものがうつ病です。
うつ病を代表とする気分障害といわれる疾患は、1990年代以降増加し続けているといわれ、2017年に厚生労働省が発表した調査結果によると、日本国内の気分障害の患者数は、127万人を超えたとされています。
今や、うつは多くの人がかかりうる疾患になったといわれます。
このコラムでは、抑うつ神経症の症状や原因や治療法を解説します。
また抑うつ神経症が治った体験談も紹介します。

抑うつ神経症とは?

抑うつ神経症とは、うつ病より軽度ながら慢性的な抑うつ状態が長期に持続するものをさします。
抑うつ神経症は、持続性抑うつ障害、あるいは、気分変調症と呼ばれることがあります。
抑うつ症状が慢性的に二年以上続くものをいいます。
抑うつ神経症の症状は、気分に表れる症状としては、気分が落ち込む、不安でたまらない、イライラする、やる気が出ない、眠れない、朝起きることができない、疲れやすい、孤独感、寝たきりになってしまう、理解力や集中力が低下する、何をしても楽しめない、関心がわかない、物事を悲観的にばかり考える、などがあげられます。
また、抑うつ神経症の症状は身体に現れることもあります。
抑うつ神経症の身体症状として、原因不明の頭痛やめまい、不眠、食欲不振、体重減少、疲労感、倦怠感、動悸、手足の冷え、などの症状があります。
抑うつ神経症の場合、周りの身近な人達から見ても、普段より表情が暗く、活気がない、会話が減ったなどと感じられることがあります。
抑うつ神経症の人は、自分はだめな人間であると決めつけて長い期間落ち込んでいるのが特徴です。
抑うつ神経症の人は、劣等感にさいなまれ、マイナス思考が落ちこみを引き起こし、その落ち込みがマイナス思考を強めます。
抑うつ症状をとりのぞくため、女性では過食、男性ではアルコールや薬物乱用に走ってしまう人もいます。

抑うつ神経症の具体例

抑うつ神経症の具体例をいくつか紹介します。

ある主婦の女性は、親族の介護と家事に追われる日々が続く中で、気持ちが落ち込んだり、やる気がわかなくなり、理由の分からない体調不良や物忘れなどが重なり、心身ともに疲れ切って病院を受診したということです。
この女性の場合、親族の介護で心身ともに疲れているところに、更年期障害、加齢による不調などが重なってうつ症状が起こりました。

ある会社員の男性は、職場のチームリーダーに昇進した頃から、徐々にうつ症状が現れました。その後大きなプロジェクトの責任者となってからさらに多忙になり、仕事が一段落した直後から、食欲低下、疲労感を異常に強く感じるようになり病院を受診したということです。この男性の場合、多すぎる仕事を抱え込み、達成できないのは自分の能力のせいだと思い込んでしまったことがうつ症状を起こしていました。
ある20代の男性は、大学に通いながら、これからの生き方に不安を感じると同時に、身体の不調や不眠、風邪のような身体のだるさ、目の疲労感、頭痛、気分の落込み、劣等感などにさいなまれました。健康食品等様々な方法を試してもよくならず、病院を受診したということです。この男性の場合、症状や気分の起伏があってはならないものと考えて、気分の起伏に対する不安にばかり関心がいってしまったことからうつ症状に陥りました。

抑うつ神経症の原因

抑うつ神経症にはいくつかの原因が考えられます。
人は、一生のうちで何度も環境の変化を経験したり、年齢に応じて体の変化が起きてきます。その変化に柔軟に対応できれば問題なく過ごせますが、人によっては心のバランスをくずすことは少なくありません。変化を乗り越えなければという気持ちから不安が生まれ、頑張りすぎて重荷になってしまうことがあります。
様々な変化が起きると、その時の状況によっては一時的な反応として、不安や緊張、焦りを感じてしまうことは多くの人が経験します。しかし、このような不安や緊張、焦りなどを、人間の当然の反応として受け止めず、自分に問題があるために不安になってしまうのだと自分について否定的に思い悩む場合があります。このように思い悩む背景には、人はどんな状況でも不安のない万全な状態でいなければならないという考えがあります。

そのような考えが強いと、変化という状況の中で現実の必要な行動にエネルギーを費やすかわりに、不安のないスッキリとした気分を得ることにエネルギーを費やすようになります。

人はだれでも、不安や恐怖を感じたり、憂うつな気持ちになったりすることはあります。
とはいえ、すべての人が、それにとらわれて思い悩むわけではありません。
自分で自分の悩みを拡大する悪循環に陥ってしまったとき、人は不安や恐怖から抜け出せなくなってしまいます。
抑うつ神経症も、抑うつ症状の悪循環が起きることによって生じます。
憂うつになると自己評価も下がりがちになります。自分をダメな人間と思うことで、さらに憂うつ感が増していきます。
抑うつ神経症では、憂うつ感や身体不調などの抑うつ症状を必要以上に深刻に受け止めることで、抑うつ症状がさらに強まったり、心身の症状に苦しめられるようになったりします。

 

抑うつ神経症になりやすい人の特徴

抑うつ神経症で悩む人には特徴がみられます。
抑うつ神経症で悩む人には、完璧な人間でいなければならないとか、完璧にできなければならないという考えが強いという特徴があります。
まじめで、責任感が強く、いい人であらねばならないと考えます。

そのため、多忙や対人関係、責任の増大、環境の変化等によるストレスを受けても、周囲の人に頼らずに、あるいは、思い通りにできない時があっても仕方がないと考えずに、なんとかしようと無理をすることで身体的にも精神的にも負担がかかり、疲労感や憂うつ感が生じます。
頑張り過ぎた結果として生じる疲労感や憂うつ感ですから、それらは人間の自然な反応といえます。

そうであるにもかかわらず、抑うつ神経症の人は、それらの自然な反応を自分の能力や精神力の不足が原因だと考えて、さらに努力をして解決しようとしても解決できず、解決できない自分を無力であると感じてしまいます。
その無力感が抑うつを生み、様々な抑うつ症状を引き起こします。
抑うつ神経症に悩むのは現代人だけでなく、100年前の日本にも抑うつ神経症の症状に悩む人が多くいました。
それらの悩みに対して、独自の精神療法を編み出したのが森田正馬でした。
森田療法を生み出した森田正馬は、神経質な性格の人が不安や緊張を人一倍強く感じ、症状にとらわれやすいと提唱しています。

具体的には、下記のような特徴があります。
・内向的で自己内省的
・心配性で傷つきやすい
・完璧主義・負けず嫌い

強気な面と弱気な面を併せ持つ性格は、小さなことを気にしてしまう弱気な自分を許せずに、葛藤しやすいタイプだと考えられています。
困難に見舞われたときに敏感に反応してしまい、不安や恐怖はあってはならないものと考えたり、完璧な安心を求める性格も、抑うつ神経症に悩みやすい人の特徴です。

 

抑うつ神経症が治ったという方の体験談

抑うつ神経症は、治せない症状ではありません。
実際に森田療法で抑うつ神経症が治ったという方の体験談をご紹介します。

【体験談】

人生・ひといろいろ(H・Sさん・男性・会社員)

私は、小学校から対人恐怖がはじまっていたかもしれません。中学、高校、専門学校に進学しましたが、だんだん内向的になり、人に何か言われるのでは、と予期不安が出ました。社会人になり、コミュニケーションが苦手な私は、失敗したらどうしようとノイローゼ気味になりました。精神科で治療を受けたものの、不眠になり意欲がなくなっていき、退職しました。転職して数年後、上司の仕事を引き継ぎ、予期不安が再発しましたが、通院して徐々に回復しました。その後結婚し、仕事で、業務の処理の仕方で役員に叱責を受けてから自分を責めることが続くようになりました。うつ病と診断され入院し、入院生活は不安でしたが、ほかの入院患者と話を聞き合い、癒しを感じました。仕事復帰後も、仕事や家庭の問題で自分を責めていましたが、会社のメンタル相談で臨床心理士から「生活の発見会」を教えてもらいました。初めて参加した時はとても緊張しましたが、つらさを共感してもらえてとても嬉しかったです。ひとりで森田療法の本を読んでも限界がありますが、集談会で皆さんの話を聞くことがすごくためになります。少しずつ自分が変わってきているなと思っています。

抑うつ神経症に悩んでいたこちらの体験者は、生活の発見会で学んだことで、今までの、何事も急ぎすぎた点を見直し、とにかくゆっくりと行動に移すよう、日々努力が必要と考えているということです。

体験記一覧はこちら

抑うつ神経症の主な治療法

抑うつ神経症を治すには、どのような治療法があるのでしょうか。
薬物療法と精神療法について解説します。

薬物療法

薬物療法では、不安を和らげる効果のある薬剤を用います。

服用することで不安を軽減させ、必要な行動がしやすくなるための手助けをします。
薬による治療で改善が感じられないときには、精神療法を検討します。

森田療法などの精神療法

抑うつ神経症の治療には、精神療法が有効であるといわれています。

精神療法には、不安や恐怖の原因に直面させる「暴露療法」や、不安を感じやすい認知の歪みを改善していく「認知療法」などがあります。

また、精神療法の一つである「森田療法」も抑うつ神経症の改善に効果が期待できるといわれています。症状が重い場合は入院療法、そうでない場合は外来療法で治療をします。

入院療法では、下記4つのステップで社会復帰を目指します。

1. 心身を休めながら自分のとらわれや不安と向き合う
2. 一人で簡単な作業
3. グループでの作業
4. 社会復帰

一方で、外来療法は日記指導が中心の治療法です。
その日の行動を日記に記載し、不安や感情を自分なりに受け止めていこうとする態度を助長します。
どの精神療法が適切なのかは人により異なるため、医師に相談するようにしましょう。

その他、自助グループとして、森田療法を学びながら、神経症からの克服を支援する「生活の発見会」があります。

抑うつ神経症でお悩みの方は生活の発見会へ!

 

同じように神経症などに悩んでいる人や、悩みを克服した人と一緒に森田療法を学んだり、つながりを持つことができる自助グループが「生活の発見会」です。

生活の発見会とは?

「生活の発見会」とは、森田療法を学びながら、神経症からの克服を支援するメンタルヘルスの自助グループです。

1970年に発足し、1998年には第50回保健文化賞を受賞、2005年には特定非営利活動法人として東京都より認定されています。
神経症に悩める方に森田療法について学ぶ機会と、共感と理解に基づく安心の場を提供し、人間的な成長を目指すというビジョンを掲げています。
森田療法でより良い生活を目指していくという考えに共感する方なら、誰でも参加することができます。
再発の予防、備えとして、薬物療法と並行して新たに森田療法を学ぶことをおすすめします。

生活の発見会の活動

「生活の発見会」では集談会や、月刊誌の発行、基準型学習会など様々な活動を行っています。
集談会では、全国約130ヶ所の会場で「交流会&学習会」を毎月開催し、実際に神経症を乗り越えてきた人が中心になって交流を行っています。
月刊誌は、会員や医師が寄稿した記事などを掲載した、会員ならだれでも参加できる双方向の機関誌です。このように会員同士での相互啓発や学習、実践経験を会員間で共有していくことで、人間的な成長を目指しています。
その他にも、初心者向けの懇談会、大勢が集まる場所は行きづらい方むけの個人相談、医師も交えての心の健康セミナー、オンライン学習会などさまざまな活動を行っています。
お悩みの方はまずは初心者懇談会や個人相談(有料)へ!

全国で毎月1回開催される「集談会」は誰でも参加することができます。
心のお悩みを抱えている方は、まずは集談会への「お試し参加」はいかがでしょうか。
気軽に参加できるので、ぜひご検討ください。

生活の発見会HPはこちら


抑うつ神経症が治った体験談と原因、症状、治療法などについて解説しました。
抑うつ神経症は、憂うつ感や身体不調などの慢性的な抑うつ症状が二年以上続く症状です。
しかし、実際に森田療法で症状を克服した方もいらっしゃるため、決して治せない症状ではありません。
もし、抑うつ神経症に悩んでいる方が周りにいる場合は、
「生活の発見会」がおすすめです。

参考文献
日医ニュース 健康ぷらざ No.454
メンタルニュースNo.40 うつに対する森田療法 斎藤直巳
よくわかる森田療法 主婦の友社
新時代の森田療法 白揚社
森田療法のすべてがわかる本 講談社健康ライブラリー