社交不安症(対人恐怖)
チェックシート

※このチェックシートはあくまでも参考であり、詳しくは専門の医師・心理相談機関にご相談ください。

次にあげる各項目のうち、
あてはまると思う項目にチェックしてみましょう。

診断結果

あなたは
/35
問該当しました

このチェックリストから、自分の対人恐怖の程度を知る事ができます。
該当する数が1〜20個の方はやや対人恐怖症、21個(6割以上)の方はかなり高い対人恐怖症の症状があると考えられます。

参考資料

北西憲二著「実践・森田療法」(講談社) 付記1より

解説

社交不安症(対人恐怖)

社交不安症は、対人恐怖症、赤面恐怖症などと呼ばれていた不安症の一つで、他人にどう思われるかが過剰に気になるものです。人が怖いと感じ、人と関わる状況を避けるようになります。

以下のような不安を訴えます。
(例)人前で緊張して失敗しないか、人と話す時に顔が赤くなる、言葉に詰まって上手く話せない、他人が自分を変だと思っているのではないか、ダメな人間だと思われているのではないか、馬鹿にされているのではないか、嫌われるのではないか、相手の目を見て話せない、人前で緊張すると体や声が震える、他人の思惑が気になる、不安や抑うつで集中できない、物忘れや間違いが増える、対人緊張が強い、自分が変な顔をしているのではないか、など。

社交不安症に悩む方は、次のような性格や体験が共通してみられます。
幼いころから不安や恐怖を感じやすい、自分は普通の人と違うと感じる、周囲に合わせるのが苦手、几帳面で粘り強い、自分は人より劣っていると感じる、恥ずかしがり屋である、幼い頃は活発だった、幼いころから大人しく人見知りが激しかった、学生時代にいじめを受けた、など。

社交不安症が起きやすい状況
学校の朗読やスピーチで声が震えた、学生時代友人を作れず焦った、仕事を辞めて生活や将来の不安が強まった、自信をなくす体験をした、他人から自分の言動に対して否定的な指摘をされた、など自分が社会の中で上手く生きられるかということが心配になる状況で発症する場合が多く見られます。

社交不安症にどうしてなるのでしょうか?

人間の心理には、他人から優れた人と思われたい、一人前と認められたい、など、自信を持ちたいという欲望があります。そのような欲望があるために、人から悪く思われるのではないか、受け入れられないのではないか、こんな自分は情けない、という不安や自信のなさを抱きます。このように、欲望と不安は人間心理の両面をなす事実です。ですが、社交不安症の人は、不安という自然な感情や生理反応を「あってはならないこと」として否定し排除しようとするあまり、不安にとらわれるという悪循環に陥ってしまいます。

社交不安症に該当するときには以下の方法があります

◆⾃助グループNPO法⼈「⽣活の発⾒会」の活⽤

森⽥療法を学び神経症(不安症、対⼈恐怖、強迫症、パニック等)を乗り越えた経験者(サラリーマンや主婦等)が中⼼となり神経症で悩む⽅をサポートします。全国約 130 ヶ所で毎⽉開催される「集談会」は森⽥理論の学習の場であり、悩みを共有する交流の場です。体験参加も受けつけています。

以下は、社交不安症の会員の方が、生活の発見会の森田療法の理論学習によってどのように立ち直っていったかの具体例です。

Cさんは、元々不安を感じやすい子供でした。小学校高学年でいじめを受けてから劣等感を持つようになりました。中学時代友人ができ多少自信が持てましたが、高校では友人を作れず孤立しました。大学でもほとんど一人で行動し、アルバイトも長続きせず将来に絶望しうつ状態に陥り自殺願望が出ました。悩んだ末、生きようと決心し、精神的支えを求めていたある日、引きこもりの自助グループに出会いました。自分と同じような悩みを持つ仲間には苦しみや情けなさをさらけ出すことができ、以前とは違う考え方ができるようになりました。そして、悩んだ経験を活かしたいと思い、資格を取得し福祉の仕事に就きました。しかし、社会人生活は苦しく対人恐怖によるうつ状態が悪化しました。病院で森田療法を受け、行動が必要であることがわかり仕事を続けることができました。その後も職場の人間関係に悩み落ち込みましたが、集談会に参加して仲間の支えを得たことにより、新しい資格に挑戦し合格し、結婚の夢もかなえました。Cさんは、森田療法と集談会の仲間のおかげで人生が大きく変わったことを奇跡と思っています。

体験者のお話しを伺ってみたい方はこちら

◆森⽥療法を⾏っている医療機関・⼼理相談機関
生活の発見会の協力医・協力心理相談機関では、以下のような森田療法の考え方を用いた精神的な治療・心理的な支援を受けることができます。

森田療法では、社交不安症の人が抱えている不安や緊張は自然な感情であり、その感情の裏側には人からよく思われたい欲求があることを共有します。

不安な状況を回避しようという努力がかえって不安を強めているというとらわれの悪循環を指摘します。

不安や自信のなさはそのままに、生活に必要な人と関わる行動を促し、とらわれの悪循環の打破をサポートします。

参考資料

中村 敬 2018 よくわかる森田療法 心の自然治癒力を高める 主婦の友社
中村 敬 2014 症状別にみる森田療法の治療法 岡本記念財団メンタルニュースN0.32
北西憲二 2014 森田療法を学ぶ 金剛出版
生活の発見会 2013 症状別体験記シリーズⅡ①:社会不安障害(対人恐怖症)