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パニック発作とは?原因や症状が表れやすいタイミングを解説

パニック障害につながることのある症状として、強い不安や恐怖により起きる“パニック発作”が挙げられます。
このパニック発作が起きる原因はいくつかあるため、原因や起こりやすい条件をあらかじめ知っておくことが大切です。

本記事では、パニック発作の原因や具体的な症状、治療方法などを解説します。
現在抱えられている不安との付き合い方を見つけたい方は、ぜひご一読ください。

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パニック発作とは

激しい不安感や恐怖感とともに、あるとき急に動悸や過呼吸、発汗、めまい・ふらつきなどの身体症状が起きることを“パニック発作”といいます。

なお、似た言葉に“パニック障害”がありますが、パニック発作とパニック障害は必ずしも同じものではありません。
人によってはパニック発作が数回起きる程度で、そのまま何もしない、あるいは少しの期間薬を服用すれば改善される場合もあります。
しかし、なかにはパニック発作を繰り返し起こすことで不安な気持ちになることがあり、このケースに該当するとパニック障害という病名で診断されます。

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パニック発作が起こる原因は?

パニック発作が起こる原因は人それぞれなので、特定の原因が決まっているわけではありません。
ここでは、一般的に考えられる7つの原因をお伝えします。

パニック発作の原因

  • 原因①過去のトラウマ
  • 原因②ストレス
  • 原因③遺伝
  • 原因④年齢・性別
  • 原因⑤睡眠不足
  • 原因⑥喫煙
  • 原因⑦カフェインの過剰摂取

原因①過去のトラウマ

事故や災害、虐待など、過去につらい出来事があった方は、トラウマが原因でパニック発作が起きることがあります。
脳内のストレス反応システムが過敏になることで、パニック発作につながるのです。

なお、トラウマによって引き起こされる不調としては、ほかにPTSDがありますが、パニック発作とPTSDは異なるものです。
パニック発作は脳の異常により、急に発作が起きるのに対し、PTSDはトラウマがフラッシュバックすることで起こります。

原因②ストレス

過労や人間関係のトラブル、環境の変化、大切な人の死などによる慢性的なストレスも、パニック発作の原因の一つです。
ストレスを感じている状態が続くことでストレスホルモンが過剰に分泌され、脳機能に異常をきたしてパニック発作を引き起こします。

原因③遺伝

トラウマや過度なストレスがない状態でも、家族にパニック障害を持つ方がいる場合、遺伝によってパニック発作が起きるリスクが高まっているとされています。

詳細なメカニズムはまだ判明していませんが、複数の遺伝子と環境要因が重なることでパニック発作の発症につながるという見解があります。

原因④年齢・性別

ご自身の精神状態とは直接的に関係のないパニック発作の原因として、遺伝のほかに、年齢や性別といった属性も挙げられます。

年齢に関しては、思春期~若年成人期、特に20~30代の若い世代にパニック発作がよく起こるとされています。
若い世代はライフスタイルの変化やホルモンバランスの変動によって、メンタルが不安定になりやすいためです。

また性別に関しては、女性のほうが多いといわれています。

原因⑤睡眠不足

過労や睡眠不足により、十分な休養がとれていない場合も、パニック発作を引き起こす要因となり得ます。
このような状況では、ストレスホルモンの分泌量が増え、神経が興奮します。
その結果、ストレスへの防衛反応としてパニック発作が起きるのです。

原因⑥喫煙

さまざまな研究により、喫煙習慣がパニック発作を悪化させることがわかっています。

具体的なメカニズムは完全には解明されていませんが、要因の一つとしてはニコチンの依存性が指摘されています。
ニコチンには気持ちを一時的に落ち着けるはたらきがありますが、これに依存するとかえって「喫煙しないとイライラする」という状態になってしまうのです。
この不安感やイライラによってパニック発作が悪化するといわれています。

また、喫煙を続けることにより呼吸機能が低下し、脳が「酸素が足りない」と感じることによってもパニック発作につながる可能性があります。

原因⑦カフェインの過剰摂取

パニック発作の原因となる嗜好品には、タバコのほかに、カフェインを含むコーヒーも挙げられます。

カフェインには交感神経を刺激し、緊張状態を引き起こすはたらきがあります。
緊張状態になると不安が高まりやすい状態になり、パニック発作の原因となるのです。

また、体質や体重などの個人差がありますが1日に200mg以上のカフェインを摂取すると慢性中毒になるとされており、この状態でカフェインがなくなると、ニコチン中毒と似たように不安な状態になることがあります。
この、カフェインの過剰摂取によってもパニック発作が起きる可能性があるといわれています。

▼カフェイン中毒~身近に潜む中毒たち①~
https://jaca2021.or.jp/news/caffeine-addiction0827/

パニック発作の症状

パニック発作によって引き起こされる症状には、人によってさまざまなものがあります。
以下はその代表的な例です。

パニック発作の症状の例

  1. 動悸がする、心拍数が上がる
  2. 汗が出る
  3. 体が震える
  4. 息切れがする、息苦しい
  5. 胸が痛い、苦しい
  6. 吐き気がある、お腹が苦しい
  7. めまいやふらつき、気が遠くなる感じがある
  8. 現実でない感じや、自分が自分でない感じがある
  9. 自分がコントロールできないことへの恐怖感がある
  10. 死ぬことへの恐怖を感じる
  11. 感覚麻痺、うずき
  12. 冷たい感覚、あるいは熱い感覚がする

上記のようなパニック発作の症状は突然表れて、10分以内にピークに達することが一般的です。
それゆえに、医師が症状を直接確認することが難しい傾向にあります。

なお、パニック発作は多くの方にとって極めて不快なものではありますが、それ自体が危険なものではありません。

参照元:厚生労働省「不安障害|こころの病気について知る|ストレスとこころ」

パニック発作によって起こりうること

パニック発作が起きると、“予期不安”や“広場恐怖”といった状態に発展することがあります。

予期不安

パニック発作が頻繁に起きる人が、「また発作が起こるのではないか」という不安を常に抱くことを“予期不安”といいます。
なぜ、このような不安を抱くのかというと、パニック発作は明確な理由がなく急に発生することがあるためです。
また、上述したようにパニック発作では動悸や息苦しさなど、「命にかかわるのではないか」と感じるほどの症状が出る場合があるという点も、予期不安を抱く一因となっています。

なお上述の通り、パニック発作の症状は命にかかわるものではありません。

広場恐怖

パニック発作が出たときに、逃げられない状況や、恥を感じる状況にいることに対する恐怖である“広場恐怖”を感じることもあります。
“逃げられない状況”の具体例としては、エレベーターの中や窓のない部屋、トンネルや公共交通機関の中など、閉鎖空間が挙げられます。
広場恐怖があると、このような場所に恐怖を感じたり、行くことを避けたりするのです。

また、広場恐怖は一般的にパニック発作を伴うことが多いとされていますが、なかにはパニック発作を伴わない場合もあります。

パニック発作が起こりやすいタイミング

パニック発作には、起こりやすいタイミングがあります。
日々過ごしていくうえで、パニック発作と適切に付き合うために、以下のタイミングを把握しておきましょう。

パニック発作が起こりやすいタイミング

  • 閉鎖的な空間にいるとき
  • 発作の恐怖がよみがえったとき
  • リラックスしているとき

閉鎖的な空間にいるとき

先ほど、広場恐怖の章でもお伝えしたように、エレベーターや公共交通機関などの閉鎖的な空間では強い不安感を感じることによりパニック発作を引き起こすことがあります。
「空気が薄い」「圧迫感がある」「自由に動けない」といった感覚がストレスを増幅させ、不安感へとつながるのです。

ほかにも、空間自体は閉鎖的でなくとも、美容院でシャンプーを受けているときやサロンでマッサージを受けているときなど、自由に動けない状況で同様のことが起きる場合があります。

発作の恐怖がよみがえったとき

過去にパニック発作を経験したことのある方は、その恐怖がよみがえることにより、再び発作を引き起こすこともあります。
具体的には、過去の発作が起きた場所に行くときや、似たような状況に置かれたときに「また発作が起きてしまう」という不安感からパニック発作が起こります。

リラックスしているとき

実は不安を感じているときだけでなく、リラックスしているときにもパニック発作が起きることがあります。
なぜなら、リラックスして身体がストレスから解放されることで、それまでに蓄積されていた緊張や不安感が一気に放出されるためです。

リラックスできる時間は、緊張や恐怖から解放されてゆったりと過ごせることが何よりの理想ですので、定期的にストレスを発散することを意識しましょう。

パニック発作を治す方法は?

パニック発作の症状を緩和させ、再発防止を目指す方法は、主に3つ挙げられます。

パニック発作の改善方法

  • 薬物療法
  • 生活習慣の改善
  • 森田療法

薬物療法

パニック発作によるパニック障害を発症している場合、病院の治療では薬物療法を用いるのが一般的です。
パニック障害の薬物療法では、主に以下の2種類の治療薬が用いられます。

パニック障害の治療薬
抗うつ薬(SSRI) パニック発作を起こりにくくする
抗不安薬(ベンゾジアゼピン系) パニック発作が起きたときに、不安や緊張を抑える

まずはこの2種類の治療薬を服用し、SSRIの効果がみられるようになったらベンゾジアゼピン系の治療薬を減らしていく、という流れで進められます。

生活習慣の改善

規則正しい生活習慣を身につけることにより、ストレスの軽減や、体の緊張の緩和をはかり、パニック発作を起こりにくくするといった対処法もあります。

心身ともに健康に生きていくには、十分な睡眠時間と栄養バランスのとれた食事、そして適度な運動が欠かせません。
これらの改善を取り入れることにより、パニック発作の低減を目指します。

森田療法

病院で受ける治療以外の、パニック発作へのアプローチ方法としては、“森田療法”も挙げられます。

森田療法とは、精神科教授の森田正馬が生み出した日本独自の精神療法で、「あるがまま」を受け入れることで不安との共存を目指す方法です。
具体的には、以下の流れで行われます。

森田療法の流れ
臥辱期(がじょくき) 1週間程度寝たきりになり、食事や洗面以外の気晴らしをしないことにより、自身の不安や苦悩と向き合い、活動欲を自覚する
作業療法期・日記指導 さまざまな作業を通じて、事実に基づいてものごとを見て・考えて・行動することを学ぶ

なお、森田療法ではパニック発作そのものを改善することに焦点を置くのではなく、「恐怖や不安をどう受け止め、どう付き合っていくのか」という観点で考えます。
恐怖や不安に正面から向き合うことで、共存する方法を探るのが、森田療法なのです。

生活の発見会の活動

「生活の発見会」では集談会や、月刊誌の発行、基準型学習会などさまざまな活動を行っています。
集談会では、全国約130ヶ所の会場で「交流会&学習会」を毎月開催し、実際に神経症を乗り越えてきた人が中心になって交流を行っています。
月刊誌は、会員や医師が寄稿した記事などを掲載した、会員ならだれでも参加できる双方向の機関誌です。

このように会員同士での相互啓発や学習、実践経験を会員間で共有していくことで、人間的な成長を目指しています。

その他にも、初心者向けの懇談会、大勢が集まる場所は行きづらい方むけの個人相談、医師も交えての心の健康セミナー、オンライン学習会などさまざまな活動を行っています。

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パニック発作の症状には動悸や息苦しさなどがあるが、命にかかわるものではない

以上、パニック発作の症状や原因について解説しました。

パニック発作の症状にはさまざまなものがあり、動悸や息苦しさなど、「死んでしまうかもしれない」という恐怖を抱くような症状が表れることもあります。
しかし、パニック発作の症状は基本的に命にかかわるものではなく、適切なアプローチにより改善が可能です。
ご自身の心に向き合い、不安とも共存できる未来を目指していきましょう。

現在パニック発作に悩んでおり、本記事でご紹介した森田療法にご興味のある方は、NPO法人「生活の発見会」にお問い合わせください。
生活の発見会では、パニック発作をはじめとする神経症を乗り越えた方々とともに、森田療法を学べる集談会を開催しております。
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